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【概要・特徴】 ― 1. 横浜線205系の概要

営業開始 1988年(昭和63年)9月22日
走行区間 八王子〜東神奈川・桜木町・磯子・大船
(かつては、横須賀線の逗子まで直通。)
所属(初期) 蒲田電車区
所属(現在) 鎌倉車両センター
在籍数 216両(8両×27編成)
編成構成 Tc'+T'+M'+M+T+M'+M+Tc (八王子→)
在籍番台 0番台(量産初期車・量産後期車)、100番台(サハ204)

 1988年(昭和63年)、近代化が遅れ気味であった横浜線に、当時最新型の通勤車両「205系」が投入された。関東では2番目の投入となり、黄緑と緑のツートンカラーの帯をまとって登場した。翌1989年(平成元年)2月までに先代の103系を全て置き換え、これに伴い、横浜線は100%冷房化を達成した。

 投入されたのは0番台であったが、側扉の窓が下に拡大された、いわゆる量産後期車にあたる。側扉の窓が拡大された車両は、横浜線より一足先に205系を投入した阪和線用(1000番台:JR西日本仕様)が最初だが、0番台を名乗ったまま側扉の窓が拡大された車両は、横浜線が初めてである。

 所属は蒲田電車区であったが、1996年(平成8年)に大船電車区へ転属。その後、大船電車区の度重なる名称変更に伴い、2000年(平成12年)には鎌倉総合車両所、2004年(平成16年)には鎌倉総合車両センター、2006年(平成18年)には鎌倉車両センターと、所属先が変わっている。

 7両25編成が最初に投入され、1993年(平成5年)と2004年(平成16年)に1編成ずつ、合計2編成が増備された。さらに1996年(平成8年)には全国で2番目の6扉車両(サハ204-100番台)が増結され、現在は8両×27編成=216両が在籍している。

 通常の運行範囲は、横浜線の八王子〜東神奈川と、京浜東北・根岸線の東神奈川〜大船であるが、1998年(平成10年)5月〜2008年(平成20年)3月までは、根岸線経由で横須賀線の逗子まで直通する列車が、最大2往復設定されていた(土休日限定)。

 現在は、行き先方向幕や運行番号表示のLED化、デジタルATC(自動列車制御装置)やデジタル無線の搭載などの改造が加えられつつ、205系は今なお横浜線の主力車両として活躍している。

【概要・特徴】 ― 2. 横浜線205系の特徴

<1. 緑色の行き先方向幕>

 2002年(平成14年)に、サッカーのFIFAワールドカップが開催された際、それに合わせるかのように登場した行き先方向幕。以前の字幕、特に下り列車の字幕は、路線名(横浜線)と行き先を2分割で表示していたため、字が小さくて読みにくかったほか、英語表記が入れられていなかったことが、幕変更に繋がったと考えられる。

 この幕が早くから導入されたH24編成・H26編成は、緑地に白文字の幕を使用していた。しかし、色の関係で読みにくかったため、文字色が黒文字に改められた上で、全編成に普及した。
 尚、先頭車両前面の幕については、現在行き先表示の電光掲示化が進行しており、この幕を先頭に掲げて走る205系は、今後消滅する見込みである。



<2. デジタル式のATC(自動列車制御装置)>

 現在、ATC(自動列車制御装置)を搭載している205系は、横浜線と埼京・川越線だけである。しかし、埼京・川越線の205系のATCは旧型のアナログ方式で、速度計は黒地に白文字のものが取り付けられている。横浜線では、2007年(平成19年)3月を以て、全編成にデジタル式のATCが搭載された関係で、速度計が白地に黒文字のものに改められている。205系の中で唯一デジタルATCを搭載しているのが横浜線なのだ。



<3. 乗降口前の滑り止め>

 これは他線の205系にも見られるものだが、形状が他線とは若干異なる。



<4. 205系0番台―最後の新製車>

 1993年(平成5年)に京浜東北線の浦和電車区から転入してきたH26編成のうち、5号車のサハ205-232は、205系0番台で最後に製造された車両である。浦和区からは、クハ2両、モハ2両×2組の6両が転入してきたため、残りの1両(当時は7両編成だった)だけ新たに製造することになったためだ。
 外見上は目立った特徴はないが、車内の吊革が全て三角形になっていることが特徴である。



<5. サハ204-100番台>

 1994年(平成6年)に横浜線8両編成化のために導入された、国内2番目の6扉車両。205系の製造時期を過ぎていたため、当時最新鋭だった209系(京浜東北線を中心に活躍)と同様の台車を使用するなど、205系と209系の折衷構造になっている。
 また、このサハ204-100番台の製造を以て、205系の製造は完全に終わった。



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